SAPの設備階層と部品交換履歴をSalesforce Field Serviceからリアルタイムで利用
Salesforce Field ServiceでSAPの設備階層を明確に把握するために、手作業でデータを照合する必要はありません。産業機器は、単体の機械ではなく、複数の設備や部品で構成されていることが一般的です。たとえば、産業用空調設備の保守を担当する技術者は、実際にはコンプレッサーモジュールを含む冷却装置を扱っています。さらに、そのモジュールの中にはセンサーやフィルターが組み込まれており、それぞれにシリアル番号、設置日、サービス履歴が紐づいています。

スマート空調設備の設備階層の例:追跡可能な複数のサブ設備で構成
多くの企業では、設置済み資産の基本的なロケーション情報や設備階層をSalesforceとSAPの間で同期しています。しかし、設置済み設備の詳細な階層情報や最新の構成情報はSAP側で管理されている一方で、技術者はSalesforce Field Serviceを利用して業務を行っています。そのため、両システムの情報を整合させることが課題となっています。
Salesforce標準の製品データだけでは、実際の設備構成を正確に表現できません。その結果、設備情報の更新は手作業に依存することが多く、作業負荷が高くなるだけでなく、データの不整合も発生しやすくなります。また、部品の設置や交換、取り外しが行われた際の履歴管理が十分に行えず、設備変更の履歴を正確に把握することも難しくなります。
当社は、この課題を解決したいと考えていたハイテク機器メーカーと協力し、SAP連携Field Service向けの新しいVigience Overcast機能を開発しました。Salesforce上からSAPの設備階層をリアルタイムで利用できるため、設置済み設備の構成を正確に把握できます。また、実際の保守業務の流れに沿って、設備や部品の設置、交換、取り外しをSalesforce Field Service上で実行できます。変更内容を検証すると、その結果はSAPへ反映されるため、SalesforceとSAPのデータ整合性を維持できます。
新機能:Vigience Overcast SAP設備保守コンポーネント
Overcastを利用したLightning Web Componentにより、Salesforceで管理される各Assetに対して、SAPの設備階層を表示できます。技術者が対象設備の作業指示(Work Order)を開くと、コンポーネントがリアルタイムでSAPを呼び出し、設備階層全体を画面上に表示します。そのため、技術者はSAPに登録されている最新の設備構成をSalesforce Field Serviceから確認できます。サブ設備や保守履歴はSAP側に保持したまま、必要なタイミングでSalesforceから利用できます。

このコンポーネントでは、設備階層内の任意の設備に対して次の操作を実行できます。
- Install:既存設備を残したまま、新しいサブ設備を追加
- Replace:故障した設備を新しい設備へ交換
- Dismantle:設備を設備階層から取り外し
- Edit:設備階層は変更せず、SAP上の設備名や属性を更新

一般的な交換作業は、3つのステップで行われます。まず、技術者が作業指示書を開き、SAPの稼働中の設備階層を掘り下げて、故障した部品(例えば、第3世代コンプレッサーモジュール)を特定します。 次に、そのコンプレッサーを選択し、「交換」を選択して、第6世代コンプレッサーの資材番号、設置日、新しいシリアル番号など、新しい部品の詳細を入力します。その作業訪問に伴うその他の追加、変更、削除事項も、すべて同じキューに追加されます。 最後に、実際の作業が完了すると、技術者はその作業を登録し、キューに登録されていたすべての変更が、単一のオーケストレーションとしてSAPに反映されます。 コンプレッサーの交換については、SAPが第6世代用の新しい設備レコードを作成し、SAP設備番号を割り当て、階層から旧式の第3世代をリンク解除し、新しいコンプレッサーを親となる空調ユニットの適切なノードにリンクします。
Salesforce上の設備階層も更新され、新しいSAP設備番号を含む最新の設備構成を確認できます。
メーカーにとってのメリットは何か
フィールドサービス技術者は、Salesforce Field Service アプリケーションを使用して、現場から直接 SAP の設備階層やコンポーネントの交換情報を閲覧、更新、管理できるようになりました。設備構造全体が Salesforce 上に反映され、更新は自動化され、取り付けられたコンポーネントの変更履歴も追跡されます。
実際に動いているところを見てみませんか?
これは、OvercastがSAPが把握している情報と、Salesforceフィールドサービスチームが実際に活用できる情報とのギャップを埋めるための、いくつかの方法の一つです。もし御社の技術者が、依然として古くなった、あるいは不完全な機器データに基づいて業務を行っているなら、ぜひ詳しくご検討ください。






