【Böttcher社 導入事例】Vigience OvercastによるSAPとSalesforceの連携により、手作業の受注処理をゼロに

2,500+
SAPの受注伝票をSalesforceで直接処理
100%
リアルタイムのSAPデータアクセスを活用しているSalesforceユーザーの割合
5年
ミドルウェアの運用負荷ゼロ、完全メンテナンスフリーによる安定稼働
Böttcher Logo

産業
B2B製造業(産業用ローラーおよびコーティング材)

ユースケース
Customer 360と受注管理、BI連携、B2Bコマースソリューション

企業概要
Felix Böttcher GmbH & Co.KGは、ドイツ・ケルンに本社を構える歴史あるオーナー企業です。主に印刷業界などで使用される産業用ローラー(円筒形部材)のコーティング分野において、世界的なマーケットリーダーとしての地位を確立しています。
www.boettcher.de

システム
システム風景

「IT部門にとって、インターフェースは複雑で信頼性に課題があるものになりがちです。しかしVigience Overcastなら、複雑な開発は不要で、ただ『使うだけ』でいいのです」

Clemens Schmid氏
Clemens Schmid氏
Böttcher社 CIO(最高情報責任者)

従来のプロセスが抱えていた課題

Böttcher社で20年のキャリアを持ち、現在はSalesforce管理者として活躍するAndreas Zemla氏にとって、システム間の「壁」は日々直面する切実な問題でした。営業担当者が価格や売上実績、顧客の詳細情報といったSAP上のデータを必要とするたびに、インサイドセールスチームへ電話をかけるかメールを送り、ひたすら回答を「待つ」しかなかったのです。

「以前は、SAP上の数値や価格、売上実績に営業部門から直接アクセスする手段がありませんでした。顧客について何か確認したいことがあれば、その都度インサイドセールスの誰かに電話やメールで依頼しなければならなかったのです。」
―― Andreas Zemla氏(Salesforce管理者)

状況を想像してみてください。米国の営業担当者が、顧客から価格や在庫に関する急ぎの問い合わせを受けたとします。本来なら即答すべき場面で、彼らはSAPへのアクセス権を持つ同僚の作業を中断させて調査を依頼し、回答を待ち、結果的にタイムラグのある情報を顧客に伝えることになっていました。
この状況を、3大陸にまたがる300名もの営業担当者に当てはめてみれば、そこで発生している非効率(ビジネスロス)がいかに膨大なものであったかはお分かりいただけるでしょう。

構造化されないデータと「情報の属人化」

課題は単なるアクセス権限の問題にとどまらず、情報のトラッキングや構造化が困難を極めている点にもありました。Böttcher社のIT部門を25年にわたり統括してきたClemens Schmid氏(CIO)は、当時の状況を次のように振り返ります。
「以前は社内に膨大な情報が飛び交っていましたが、どれも構造化されていませんでした。営業担当者がメールやExcel、電話などでバラバラに顧客とやり取りしていたため、重要なデータが蓄積されず、実質的に失われていったのです」
世界の印刷機の60%に製品を供給する同社にとって、顧客情報を一元的に収集・構造化し、部門を超えて共有するための仕組みづくりは、最優先で解決すべき経営課題として浮き彫りになっていました。

米国市場で露呈した、手作業による限界点

米国では、この非効率なプロセスが限界点に達していました。
インサイドセールスのスタッフが、顧客からのメールを受信し、手作業でSAPへ注文データを転記する。いわば、人間がシステム間を中継する「人間ミドルウェア」となっていたのです。

キーボードを叩くたびに入力ミスのリスクが付きまとい、単純なデータ転記に費やされる1分1秒は、本来顧客への価値提供に充てるべき貴重な時間を奪い続けていました。

管理負担の最小化

Böttcher社の経営陣がSalesforceのCRM導入を正式に承認した後、Schmidt氏のチームはSAPとSalesforceを連携させるため、3〜4つのプラットフォームを比較検討しました。その際の評価基準は明確で、「IT管理の運用・管理負荷を最小限に抑えること」でした。
「他のソリューションにつきものの技術的なオーバーヘッド、管理の手間、バックアップ、システムが最新かどうかの確認……そうした作業は避けたかったのです」とSchmidt氏は説明します。
ミドルウェアやESB、あるいは独自開発といった従来の連携システムでは、専任の技術リソースや専門的なプログラミングスキル、個別のバックアップシステム、そして常時の監視が必要になります。すでに全社の基幹システムとしてSAPを管理しているIT部門にとって、これ以上複雑なシステムを追加することは、Böttcher社の要件に合致していませんでした。

Vigience OvercastのSalesforce-SAP連携

Böttcher社がVigienceに問い合わせた際、彼らはIT部門の運用負荷を最小限に抑えるように設計されたアーキテクチャの存在を知りました。Vigience Overcastは、SAPに直接接続するSalesforceネイティブのアプリケーションとして動作するため、専用の連携サーバーや追加のインフラを保守する必要がありません。
「Vigience Overcastは、使う、だけでいい。それで安定して動く。」とSchmidt氏は説明します。IT管理の観点から見ても、これはまさにBöttcher社が求めていたソリューションでした。Overcastによる連携は、専門的なプログラミングスキルや個別のバックアップシステム、常時の監視を必要としません。セットアップに必要なのはバックエンドシステム(SAP)のログイン認証情報のみで、専任のプログラマーも不要です。
ビジネス部門の視点からSalesforceとSAPの連携を管理しているAndreas Zemla氏にとっても、Overcastのフロー機能は非常に使いやすいものでした。現在、彼はSalesforceのフローを活用してSAPのシナリオをリアルタイムで呼び出し、データの取得や処理、Salesforce上でのレコード作成を行っています。

営業部門へSAPのライブデータを提供

今回の導入において最優先されたのは、Zemla氏の言葉を借りれば「必要な情報を、必要な人に届けること」でした。ドイツ、米国、アジアの営業マネージャーはいずれも共通して、SAPデータへの直接アクセスがないという制約に直面していたのです。
そこでBöttcher社は、Overcastの「リアルタイムデータアクセスモード」を活用し、SAPのビジネスオブジェクト(取引先データ、価格、売上高、受注履歴など)をSalesforceネイティブのLightningコンポーネントとして提供しました。これにより、ドイツで顧客対応の記録を残す場合でも、米国で受注処理を行う場合でも、3つの地域のチームがSalesforceの画面から直接、必要なSAP情報にアクセスできるようになりました。
このアプローチの最大の特徴は、アクセスした瞬間にSAPからデータが直接読み込まれる点にあります。営業マネージャーがSalesforce上で顧客レコードを開くと、Vigience OvercastがセキュアなHTTPS接続を介して、リアルタイムでSAPに照会をかけます。表示される情報はSalesforce側に保存されるわけではなく、SAPのデジタルコアからライブで取得されるため、データが古くなることは決してありません。
「Overcastの導入当初は、リアルタイム連携でこうした情報をすべて取り込み、すべての営業マネージャーと営業担当者が、クリック一つで即座にアクセスできることを最優先にしました。」とZemla氏は語ります。

Salesforceでの注文入力から、どのようにSAPの受注(セールスオーダー)作成をトリガーするのか?

米国市場に向けて、Böttcher社はOvercastの受注管理機能も導入しました。これにより、営業担当者はSalesforceのインターフェース上から直接SAPの受注作成ができるようになりました。
受注データが保存されると、Vigience OvercastはSAPに対してトランザクションを実行します。SAP標準のビジネスオブジェクトを使用して受注が作成され、SAP固有の価格設定ロジックやビジネスルールが自動的に適用されます。これは、データを一括送信した後に事後照合を行うような、従来の非同期処理ではありません。SAPの注文番号はリアルタイムでSalesforceに返され、もしSAP側で検証エラーが発生した場合は、即座にSalesforce上のユーザーへ表示されます。
「米国では、この受注入力機能を非常に活用しています。Salesforce上で直接SAPの受注作成しているのです」とSchmidt氏は述べています。

連携を維持・運用するために必要な技術的スキル

この点において、Vigience Overcastは従来の連携アプローチとは一線を画しています。
「Overcastの運用に高度な技術スキルは必要なく、誰でも短期間で使い方を習得できます。プログラマーも不要です。バックエンド(SAP)側で正しいログイン情報を提供する担当者が必要になるくらいで、それ以外の技術者は要りません」
これは、カスタムコーディングではなく、メタデータの設定によって連携APIやクラウドオブジェクトを自動生成するローコード/ノーコードツール「Overcast Component Builder」のアプローチを反映したものです。実際にIT部門ではなく営業部門出身であるZemla氏も、Overcastのフロー機能を活用してSalesforceとSAPの連携を管理しています。
「私はフロー機能をよく使っています。フローからリアルタイムシナリオを呼び出し、データを取得し、フロー内で処理してSalesforceのレコードを作成できるのは、とても助かっています」と彼は語ります。

世界各拠点でのソリューションの拡張性は?

Böttcher社では、ヨーロッパ、米国、アジアの3つの地域チームでOvercastを展開しており、各地域のローカル要件に合わせて導入内容を最適化してきました。

ドイツ/ヨーロッパ: Customer 360に注力 – 顧客理解のための包括的なドキュメンテーションと、SAPデータへのアクセスを整備
米国: 受注入力の自動化に注力 – SalesforceからSAPの受注伝票を直接作成
アジア: 同一プラットフォーム上で、地域特有のワークフローに対応
また、チームは隔週で集まり、新たな連携要件の共有や、SalesforceおよびOvercastのリリースによる改善点を評価しています。

なぜこのアーキテクチャだと、S/4HANA移行がシンプルになるのか?

Böttcher社の次の大きなIT施策は、SAP S/4HANAへの移行です。Vigience Overcastはデータベースに直接アクセスするのではなく、標準的なインターフェース(BAPI、RFC、ODataなど)を介してSAPに接続するため、従来のポイント・ツー・ポイント型の連携と比べて移行パスが非常にシンプルになります。
アーキテクチャの原則として、OvercastはSAPデジタルコア(基幹システム)の整合性を維持しつつ、クラウドのエンゲージメント層(Salesforce)を独立して進化させることができます。S/4HANAへの移行に伴ってデータモデルに変更が生じた場合(例えば、従来の「得意先/仕入先マスタ」が統合されて「ビジネスパートナー」に変更されるような場合)でも、Overcastの設定を調整するだけで柔軟に適応でき、ミドルウェアのインフラを再構築する必要はありません。

導入企業からのメッセージ

Vigience Overcastを他社にも推奨するかという問いに対し、Schmidt氏は5年間にわたる本番運用の経験を踏まえ、次のように答えました。

「Vigience Overcastを自信を持ってお勧めできるのは、導入がすべて上手くいき、確かな手応えを感じたからです。長い間使い続けてきましたが、正直なところ、これほどスムーズかつ簡単にプラットフォームが稼働するとは想像していませんでした。予想を上回る結果で驚きました。」

Böttcher社の成功を支えるVigienceアプリケーション

このグローバル規模な変革を実現するため、Böttcher社はVigience Overcastが提供するアプリケーションの中から、自社の業務要件に的を絞って機能を導入しました。
リアルタイムにSAPのインサイトを得るための「Customer 360」、複雑な受注処理を実行するための「受注管理」、そして重要な売上データをSalesforceの画面上で直接確認するための「BI連携」機能を活用しています。

SALESFORCEネイティブ連携アプリナンバー1

  • OvercastはSalesforceネイティブのクラウド連携サービスで、SalesforceをSAP 、Oracle、Microsoft、その他のオンプレミス・アプリケーションに迅速かつ簡単に連携できます。
  • 追加のオンプレミスソフトやミドルウェアのインストールは不要です。
  • 何千ものSAP ビジネスオブジェクトとの連携をポイント・アンド・クリックで実現。